匠の手長岡仏壇

洗濯・塗替で百年後も生まれ変わる

江戸時代、長岡市を中心とした地域の寺院、社殿等建立のため、全国より集まった宮大工、仏師、彫刻師、塗師等が雪深い冬の内職として仏壇製作を始めた。その後、長岡藩が行った浄土真宗の保護政策により、各家庭で位牌をまつる習慣が定着し、仏壇を求める人が増えたことから地場産業として発展。
仏壇は何代か後に解体して洗濯することをあらかじめ想定し、台座と主体が分かれる組立方式で作られており、100 年経っても塗り替えて新品同様に再生できる。洗濯は県内仏壇3産地に共通して行われており、自分が仕えた師匠(父や祖父)作の仏壇が、洗濯のため数十年を経て弟子のところへ里帰りしたという話がよく聞かれる。

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長岡仏壇(ながおかぶつだん)

ケヤキを使用した戸板に漆の艶を出す呂色(ろいろ)仕上げ、立体感のある高度な彫刻技術や金箔仕上げが特徴で、宮殿(くうでん)※注 が三ツ屋根であることも当地域ならでは。(通常は二ツ屋根か一ツ屋根)
生活様式の変化等で仏壇離れが進む昨今だが、新しい意匠に挑戦し全国コンクールで受賞を重ねるほか、継続的に地元小学校に赴いて製作体験学習会を実施、長岡仏壇の伝統技術・文化を次世代に継承していく活動を続けている。地元児童が長岡仏壇への理解を深めるとともに、将来の後継者の卵として育っていくことで、産地の継続した発展が期待されている。

  • ※注 宮殿(くうでん):
    • 各宗派の寺院の内陣宮殿を仏壇用に縮小したもの

○主な製造地域:長岡市、小千谷市、十日町市

【長岡地域仏壇協同組合】
 〒940-2035 長岡市関原町5-5(廣川佛壇店内)
 電話 0258-46-2210 FAX 0258-46-2210
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