羽越しな布
新潟の最北端、山形との県境に位置する小さな集落で生産されている。かつては雪で長く閉ざされる冬季の生業として、各家庭で糸づくりから織りまでを行っていたが、現在では各戸で紡がれた「しな糸」を、3名の女性が1年を通して織り上げる。今も夏山へ入り皮を剥ぐのはお父ちゃんたちの仕事、秋のしな績(う)みと呼ばれる糸づくりから織りの作業は、お母ちゃんたちの手仕事である。
製品は実用的な日常品から、インテリアや帯、小物へと変化し、2013年には同じく新潟の伝統的工芸品「村上木彫堆朱」とのコラボ商品(バッグ)も生まれるなど、意欲的な取組が続いている。
さんぽく生業の里では、しな織り体験をはじめ、集落に息づく灰の文化を活かした伝統料理など、山里の暮らしを体験できる。
○主な製造地域:山形県鶴岡市、新潟県村上市
【さんぽく生業の里企業組合】
〒959-3917 村上市山熊田325
電話 0254-76-2115 FAX 0254-76-2115
さんぽく生業の里企業組合
http://www.iwafune.ne.jp/~sanpokusho/kaiin/nariwai/nariwainosato.html
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(村上市役所商工観光課 商工振興室)
羽越しな布振興協議会
羽越しな布振興協議会
羽越しな布振興協議会 @shinafu
村上木彫堆朱
村上は平安時代より良質の天然漆の生産地として知られ、日本で唯一「漆」と名のつく神社も残る、古い城下町である。この地で伝承されてきた村上木彫堆朱には、堆黒(ついこく)、朱溜塗り(しゅだめぬり)、三彩彫(さんさいぼり)等6種類の技法があり、なかでも代表的な技法である堆朱は、真っ赤なつや消しの朱色と、全体に施された深い彫刻、幾何学模様の微細な地紋彫刻が美しい。
わざとつや消しに仕上げられた朱色は年月とともに移りゆき、使い込むほどに鮮やかな朱に変わり深いつやを増す。
製品は、箸、茶器、盆、アクセサリーなど日用の小物から、花瓶、机などの調度家具まで多岐に渡る。
○主な製造地域:新潟県村上市
【村上堆朱事業協同組合】
〒958-0032 村上市松原町3-1-17(村上木彫堆朱会館内)
電話 0254-53-1745 FAX 0254-53-3053
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村上堆朱事業協同組合
新潟・白根仏壇
江戸時代に伽藍師(がらんし)という寺院を建てる専門家が、京形の白木(しらき)仏壇を作ったのが始まりという。小さな空間に仏教の極楽浄土を表現する仏壇は、五職の匠の技と美意識の結集品である。檜(ひのき)、姫小松など良質な材料で作られた木地と宮殿(くうでん)※注 、彫刻は、漆塗りののち、蒔絵(まきえ)と金箔、金具で飾られ完成する。
新潟・白根仏壇は、特に漆で絵や文様を描いて金粉などを蒔(ま)く、蒔絵装飾の多さが特徴である。また、若手工芸士を中心に、他工芸品とのコラボレーションなどにも取り組んでいる。
※宮殿(くうでん):各宗派の寺院の内陣宮殿を仏壇用に縮小したもの
○主な製造地域:新潟市
【新潟仏壇組合】
〒950-0324 新潟市江南区酒屋町547-3(友坂佛壇店内)
電話 025-280-2236 FAX 025-280-2236
【白根仏壇協同組合】
〒950-1217 新潟市南区白根1240-3(白根商工会内)
電話 025-373-4181 FAX 025-373-4199
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新潟・白根仏壇(新潟市)
新潟漆器
江戸時代初期、秋田県能代の春慶塗(しゅんけいぬり)の伝播が始まりとされる。日用品を中心として一般家庭で使われ、今も新潟の多くの家庭で文庫箱やお盆が所有されている。産地を代表する竹塗のほか、花塗、石目塗など5種類の塗り技法が伝統的工芸品として指定されているが、30余りの変塗が存在する。
2014年、江戸後期から明治期に生きた漆芸家・柴田是新(しばたぜしん)の変塗を復活させるプロジェクトがスタート、若手を中心に新しい変塗創出への挑戦が始まっている。
○主な製造地域:新潟市、加茂市
【新潟市漆器同業組合】
〒951-8114 新潟市中央区営所通1番町329
電話 025-265-2968 FAX 025-265-3144
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新潟市漆器同業組合
新潟市漆器同業組合
加茂桐簟笥
桐簞笥が我が国で婚礼家具として重用されてきたのには、優美な外観や手触りだけでない、その優れた機能性に大きな理由がある。空気を層状に含み、熱が伝わりにくい特性をもつ桐材で、伝統的な箱物技術を駆使して作られる桐簞笥は、中に納めた大事な衣類を全焼の火事の炎からも守ることが実証されている。嫁ぐ娘を想う親の心が込められた桐簞笥は永久保証とされ、代を重ねてもまた洗濯・修理し100年経っても新品同様に生まれ変わる。
また最近では、洋間にあうデザイン簞笥や特注製品、桐の端材と続飯(そくい:ご飯粒で作られた糊)で作られた子どもに優しい玩具など、伝統的な桐簞笥産地から新しいアイデアが次々と発表されている。
○主な製造地域:加茂市、田上町
【加茂簞笥協同組合】
〒959-1313 加茂市幸町2-2-4
電話 0256-52-0445 FAX 0256-52-0428
E-mail
加茂簞笥協同組合
三条仏壇
新潟県のほぼ中央部に位置する燕三条地域は、江戸時代の初期に始まったとされる金属加工産業で古くより金物町として栄え、その高度な技術は世界的にも有名である。当地域の品格ある金仏壇は、趣向の凝らされた手打ち金具や、京職人伝来の技術で京仏壇に一番近く、基本に忠実に造られる宮殿(くうでん)※注 などが特徴である。
産地では新たな販路開拓や新しい仏壇の形、仏壇の技術を用いた新商品などを常に模索し、意欲的な取組を行っている。
※宮殿(くうでん):各宗派の寺院の内陣宮殿を仏壇用に縮小したもの
○主な製造地域:三条市、燕市、新潟市
【三条・燕・西蒲仏壇組合】
〒959-1262 燕市水道町1-2-40(高三仏具店内)
電話 0256-62-3756 FAX 0256-62-3756
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越後三条打刃物
高い品質で国内外に知られる三条鍛冶は、国内外の有名料理人が絶賛する庖丁をはじめ、切出小刀、 鉋(かんな)、鑿(のみ)、鉈(なた)、 鉞(まさかり)、鎌(かま)、木(き)、鋏(はさみ)、ヤットコ、和釘が主な10 製品。それぞれの製品を極めた鍛冶職人が、薄暗い仕事場で黙々と鋼と炎に向き合い、ミクロ単位の調整を繰り返す。コークスの燃える匂いと真っ赤な鋼を打つ音が、この街の日常だ。
2013年に始まった「燕三条 工場の祭典」には多くの鍛冶工場が参加し、その高度な匠の技とこだわりは、全国から訪れた来場者を感嘆させている。
○主な製造地域:三条市
【越後三条鍛冶集団】
〒955-0072 三条市元町11-53(三条鍛冶道場内)
電話 0256-34-8080 FAX 0256-34-8081
Email
越後三条鍛冶集団
越後三条鍛冶集団(三条鍛冶道場)
燕鎚起銅器
200 年以上の歴史を持ち、明治6年には日本初参加のウィーン万国博覧会に出品、海外博覧会への出品と受賞を重ねてきた。他に類を見ない製品群は、現在も国内海外問わず多くのファンを魅了し続けている。
重要無形文化財保持者(人間国宝)の玉川宣夫氏をはじめ、多くの優れた職人を輩出する玉川堂の、銅に多彩な着色を施す技術は世界唯一。工房を常に開放し、有形文化財の建物と職人の技術を惜しみなく披露している。
○主な製造地域:燕市
【燕銅器工芸組合】
〒959-1244 燕市中央通2−2−21(玉川堂内)
電話 0256-62-2015 FAX 0256-64-5945
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玉川堂
玉川堂Facebookページ
越後与板打刃物
鉋(かんな)・鑿(のみ)・鉞(まさかり)・釿(ちょうな)が伝統的工芸品指定 4 製品、なかでも釿は全国でもただ1人の釿鍛冶となり、貴重な伝統技術を守っている。指定品のほかにオーダーメイドで注文品を何でも作る工房もあり、変わり鍛冶と呼ばれる。
現代では国内の宮大工だけでなく、海外のヴァイオリン・マイスターも愛用するなど、ヨーロッパにはない鍛造技術が高い評価を受け、世界のものづくりを支えている。
○主な製造地域:長岡市
【越後与板打刃物組合】
〒940-2402 長岡市与板町与板甲134-2(与板町商工会内)
電話 0258-72-2303 FAX 0258-72-3328
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越後与板打刃物組合
越後与板打刃物 匠会
長岡仏壇
ケヤキを使用した戸板に漆の艶を出す呂色(ろいろ)仕上げ、立体感のある高度な彫刻技術や金箔仕上げが特徴で、宮殿(くうでん)※注 が三ツ屋根であることも当地域ならでは。(通常は二ツ屋根か一ツ屋根)
生活様式の変化等で仏壇離れが進む昨今だが、新しい意匠に挑戦し全国コンクールで受賞を重ねるほか、継続的に地元小学校に赴いて製作体験学習会を実施、長岡仏壇の伝統技術・文化を次世代に継承していく活動を続けている。地元児童が長岡仏壇への理解を深めるとともに、将来の後継者の卵として育っていくことで、産地の継続した発展が期待されている。
※宮殿(くうでん):各宗派の寺院の内陣宮殿を仏壇用に縮小したもの
○主な製造地域:長岡市、小千谷市、十日町市
【長岡地域仏壇協同組合】
〒940-2035 長岡市関原町5-5(廣川佛壇店内)
電話 0258-46-2210 FAX 0258-46-2210
小千谷縮
県内織物産地の伝統的工芸品指定織物5品目(絹織物)とは違い、麻糸が原料。先染め※注1 の織物で、経糸(たていと)は無地、緯糸(よこいと)の 絣(かすり)※注2 のみで柄を出し、緯総絣(よこそうがすり)と呼ばれる。
最近では、軽くて涼しく、家で洗濯することのできる小千谷縮の特性を活かし、夏に着心地のいいシャツやジャケットのファッションブランドや、夏用寝具も生産され、好評を得ている。
※注1 先染め/糸染め:京友禅などのように織り上がった白生地を染めたり、模様を描く後染めとは異なり、織り上がった時に柄になるようあらかじめ染めた糸で設計図通りに織り上げる。
※注2 絣(かすり):糸に模様を染める技術
○主な製造地域:小千谷市、長岡市、十日町市
【小千谷織物同業協同組合】
〒947-0028 小千谷市城内1-8-25
電話 0258-83-2329 FAX 0258-83-2328
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小千谷織物同業協同組合
小千谷紬
軽く温かみのある地風が魅力の絣織物で、小千谷縮と同じく手摺(てす)り込みによる先染め※注1 の 絣(かすり)※注2 糸を、一本一本柄合わせしながら丹念に織り上げられる。緯総絣(よこそうがすり)※注3 の技法を駆使した絣模様は多彩で素朴な味わいがあり、着姿は一段と見映える。
※注1 先染め/糸染め:京友禅などのように織り上がった白生地を染めたり、模様を描く後染めとは異なり、織り上がった時に柄になるようあらかじめ染めた糸で設計図通りに織り上げる。
※注2 絣(かすり):糸に模様を染める技術
※注3 緯総絣(よこそうがすり):経糸(たていと)は無地、緯糸(よこいと)の 絣(かすり)のみで柄を出す技法
○主な製造地域:小千谷市、長岡市、十日町市
【小千谷織物同業協同組合】
〒947-0028 小千谷市城内1-8-25
電話 0258-83-2329 FAX 0258-83-2328
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小千谷織物同業協同組合
塩沢紬
ユネスコ無形文化遺産に登録されている国の重要無形文化財「越後上布」(麻織物)の技術・技法を絹織物に受け継ぎ、18世紀後半に誕生した塩沢紬。
繊細な絣模様で渋い色調のものが多く見られ、独特な上品さと落ち着きを兼ね備えている。
当地域の春の風物詩である越後上布の雪さらしは、よく晴れた日に一面の雪の上に反物をさらすことによって、柄があざやかに浮き立つ。
越後上布の雪さらし(南魚沼市塩沢地区)の動画
○主な製造地域:南魚沼市
【塩沢織物工業協同組合】
〒949-6435 南魚沼市目来田107-1
電話 025-782-1127 FAX 025-782-1128
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本塩沢
シャリ感のあるサラリとした肌ざわりで適度な張りがあり、単衣でも着崩れない。小さいしぼの地風が特徴の先染め※注1 織物で、精緻な十字絣※注2 (じゅうじがすり)や亀甲絣(きっこうがすり)で構成された、細かく上品な柄が贅沢。
1尺1寸5分〜2寸巾で織り上げられたのち、仕上げ工程の湯もみで1尺巾に縮める製法は、塩沢産地だけにみられる。
※注1 先染め/糸染め:京友禅などのように織り上がった白生地を染めたり、模様を描く後染めとは異なり、織り上がった時に柄になるようあらかじめ染めた糸で設計図通りに織り上げる。
※注2 絣(かすり):糸に模様を染める技術
○主な製造地域:南魚沼市
【塩沢織物工業協同組合】
〒949-6435 南魚沼市目来田107-1
電話 025-782-1127 FAX 025-782-1128
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十日町絣
精妙な絣技法※注1 で、伝統的な柄から現代的な表現までを織り上げ、気軽な外出着や家庭でのおしゃれ着として着用されている。原料は、生糸、玉糸※注2 、真綿の手紡ぎ(てつむぎ)糸、またはこれらと同等の材質を有する絹糸である。
毎年5月3日に行われる「十日町きものまつり」では、きもの貸出しや着付けを行うイベントや、きもの掘り出し市があり、非常に華やかなきものの祭典を楽しむことが出来る。
※注1 絣(かすり):糸に模様を染める技術
※注2 玉糸:二匹以上の蚕が協同で作った玉繭(まゆ)から操糸した糸で、素朴な味わいがある。
○主な製造地域:十日町市、津南町
【十日町織物工業協同組合】
〒948-0003 十日町市本町6 クロステン4階
電話 025-757-9111 FAX 025-757-9116
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十日町織物工業協同組合
十日町明石ちぢみ
シャリッとした薄絹の夏着物で、高級おしゃれ着として一世を風靡(ふうび)した。
十日町絣と十日町明石ちぢみは、同じ技法で織られる先染め※注1 織物で、模様の表現方法も同じ絣(かすり)※注2 技法だが、違いは「撚糸(ねんし)=(糸をねじりあわせる)」の方法にある。緯糸に強撚(きょうねん)を加え、湯もみをして独特のシボをつくり出す。
※注1 先染め/糸染め:京友禅などのように織り上がった白生地を染めたり、模様を描く後染めとは異なり、織り上がった時に柄になるようあらかじめ染めた糸で設計図通りに織り上げる。
※注2 絣(かすり):糸に模様を染める技術
○主な製造地域:十日町市
【十日町織物工業協同組合】
〒948-0003 十日町市本町6 クロステン4階
電話 025-757-9111 FAX 025-757-9116
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十日町織物工業協同組合