匠の手十日町明石ちぢみ

せみの羽のように透き通った織物

播州明石(ばんしゅうあかし)(兵庫)で生まれ、京都西陣を初め各地に広まった絹織物の技法が、十日町で越後縮(麻織物)と融合。19世紀のはじめ、絹と麻で織った透綾織(すきやおり)が誕生しその後絹織物として完成した。
緯糸(よこいと)は最高級の生糸で強い撚(より)を加え、織り上げた後に湯もみをしてシボを出す。
夏着尺の代表で、せみの羽のように透き通った織物と言われ、余りに透きすぎるというので、芸者さんなど専ら花柳界方面で受けたという。

※シボ:独特の凸凹としたシワ

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十日町明石ちぢみ(とおかまちあかしちぢみ)

シャリッとした薄絹の夏着物で、高級おしゃれ着として一世を風靡(ふうび)した。
十日町絣と十日町明石ちぢみは、同じ技法で織られる先染め※注1 織物で、模様の表現方法も同じ絣(かすり)※注2 技法だが、違いは「撚糸(ねんし)=(糸をねじりあわせる)」の方法にある。緯糸に強撚(きょうねん)を加え、湯もみをして独特のシボをつくり出す。

  • ※注1 先染め/糸染め:京友禅などのように織り上がった白生地を染めたり、模様を描く後染めとは異なり、織り上がった時に柄になるようあらかじめ染めた糸で設計図通りに織り上げる。
  • ※注2 絣(かすり):糸に模様を染める技術

○主な製造地域:十日町市

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